こんにちは、Life is 家具マルミヤ 三代目代表の太田です。
今週は木庵TVボードの生産週です。
↓組立て中です。こちらの商品は大量生産は難しいですが、毎月数量限定で長く生産している商品です。今回はこちらの商品について深掘りしてみましょう。
私が入社する以前から試作を担当するだけではなく製品生産の組み立て加工を担当してくれて当社を支えてくれた大切な職人さん(望月さん)との出会い。
生産からデザイン設計に仕事の重きをおくようになってからほぼ私の設計した試作品などをたくさん形にしてくれました。彼にとって私は年齢的に孫みたいなものでしたしアドバイスもたくさんいただいたり感謝しかありません。
そんな望月さんの引退記念に何か残せればいいなという思いで素敵な作品を目指して図面を描いたのを思い出します。
以前から扉の枠などで2次元の留め加工は多くやっていましたが3次元留め加工に挑戦したい思いがありました。小さいものの1箇所だけなら容易にできるとイメージはできてましたがサイズも6尺(1800mm)以上と大きく4箇所加工の逃げがなく見えるデザインをやりたかったイメージです。
苦労しながら何とか形になって強度も良好でした。これは凄い!
せっかく完成したことも有り家具の展示会や取引業者さんなどにお披露目したところ製品化して欲しい要望を多数頂くこととなります。
要望を持ち帰って相談したところ製品化するのを快く受けていただき製品化の開発がスタートする運びになります。
生産態勢を整えるのに製品化まで何ヶ月もかかりましたが数量限定・受注生産という形で無事に始まります。
木庵TVボードに関しては使うウォールナット無垢材も素直で素性を要求される箇所と前板の幅広1枚板使う箇所があり資材入手もかなり困難です。アメリカの多くの製材メーカーをみて来ましたがウォールナット無垢材木庵専用の材という形で仕入れができるメーカーもほぼ1社のみに頼っているのが現状。大切に使っています。
望月さんは引退直前でしたが、最後の大仕事として木庵シリーズの製品化そして技術伝承を次期職人さんに伝承してくれました。
これまでお客さんの理解もあり様々なサイズや仕様でご注文いただいたことで細く長くずっと生産し続けられています。
いろんな方々の縁と支えがあったからこそ活きた技術として伝承できたことが私としては嬉しく感慨深いです。
木工においてもいくら技術が高くても要望されなければ忘れ去られてなくなってしまいます。
活きた技術伝承と新しい技術を積極的に取り入れながら解決する案件が今日も続きます。